スレート瓦は、コロニアル、カラーベストとも呼ばれている薄型で軽量の屋根材です。
現在では、もっとも多く使用されている屋根材で普及しています。
瓦と違い軽量で、スマートな美観は洋風な今風のお宅にピッタリとマッチしています。
そんなスレート瓦ですが、年数が経つと劣化して不具合が生じてきます。
そのため、修理が必要となりますがどのような方法があり、費用はどれくらいかかるのでしょうか?
ここでは、スレート瓦の修理方法やその費用について解説していきます。
スレート瓦は、築8年~10年頃になると、表面に「コケや藻」が発生して美観が損なわれます。
そして、徐々に雨水を吸収して、晴れた日に乾いてを繰り返すうちにだんだんと、浮いて反ってきます。
その浮きによって、屋根材が割れやすくなり、屋根点検時やアンテナ工事の際に割ってしまう原因となります。
人為的以外にも、浮きが酷いとそのまま割れて剥がれ落ちてしまうこともあります。
そうなることを防ぐために、定期的に屋根の修理を行っていく必要があるのです。
軽度のひび割れてしまったスレート瓦は、コーキングで補修を行えます。
ですが、補修を行うとコーキングの跡が目立ってしまうので、同系色のものを使用するか、透明な変成シリコンがおすすめです。
そのほか、補修を行った後は、屋根の塗装を行うと目だただくなり、綺麗に仕上がります。
コーキング補修の費用単価は「8000円~」くらいです。
完全に割れて剥がれ落ちてしまった場合は、既存のスレート瓦を撤去して新しく差し替え(交換)を行っていく修理方法もあります。
メリットは、ひび割れ補修と違って綺麗に仕上がります。
デメリットは、釘留めができませんので、コーキングによる接着となります。
スレート瓦差し替えの費用単価は「15000円~」くらいです。
スレート屋根の天辺には、「棟板金」という役物があります。
この棟板金は、経年劣化で下地が腐食するため、釘が浮いて剥がれてしまうことがあります。
そのため、築15年~20年目でこの棟板金交換を行う必要があります。
屋根塗装とセットで行うと効率の良い工事となります。
棟板金交換の費用単価は「3500円~4500円/m」くらいです。
スレート屋根は、経年劣化で防水機能が低下してしまいます。
そのため、塗膜で防水を行って屋根材を保護していく必要があります。
塗装の流れは、高圧洗浄を行い、下地調整、「下塗り、中塗り、上塗り」と3回塗りで仕上げていきます。
10年周期で屋根塗装を行うと、長い期間屋根材を良い状態で保護できます。
屋根塗装の費用単価は「2000円~3500円/㎡」となります。
※使用する塗料の種類によって費用単価はさらに変わります。
屋根材の状態が古くなると、塗装が出来ないほど下地が悪くなってしまいます。
その際の修理方法として、「屋根葺き替え」以外に、この「カバー工法」があります。
このカバー工法は、スレート瓦の上から新しい屋根材を重ね葺きしていくやり方です。
スレート瓦の解体費と、処分費用がかからないため、コスト削減できます。
ですが、古い屋根材が残ってしまい、少し重くなってしまう点がデメリットです。
屋根カバー工事の費用単価は「6000円~10000円/㎡」くらいです。
※新しい屋根材の種類によっても費用単価は変わってきます。
最後に一番大掛かりな工事ですが、既存の屋根材を解体して、新しい屋根材に交換していく修理方法の「葺き替え工事」があります。
この葺き替え工事を行う事で、古い屋根材はすべて撤去され、下地の確認もできます。
万一、下地が腐食していてもその場で張り替えて補修や補強が行えます。
ですが、スレート瓦のほとんどが「アスベスト材」を含んでおり、処分費が年々高額なっています。
間違いない工事なのですが、費用が高いという点がデメリットとなります。
屋根葺き替え工事の費用単価は「10000円~20000円/㎡」くらいです。
※こちらも新しい屋根材によって費用単価に差が出てきます。
スレート瓦は、近年普及している薄型の軽い屋根材です。
美観等に優れますが、定期的に修理を行う必要があります。
修理を怠ると様々な不具合が生じますので、注意が必要です。
まずは、お手軽な屋根塗装や棟板金交換などを行っていくと良いでしょう。
劣化状況をみながら、適切な修理を行っていくことがとても大事となります。